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E登記事項証明書、乙区解説

ここでは登記事項証明書の乙区に記載される事項について解説します。

この乙区には所有権以外の権利に関する事項が記載されます。代表例はローンを組んだときに設定される抵当権などです。従って乙区の内容によって不動産の価値は大きく変わることになりますので取引には細心の注意が必要です。

(1)抵当権(約定担保物権)

1)抵当権とは

抵当権とは担保となった特定の土地などの担保物を、債務者(抵当権設定者)に使用収益させながら債務の返済を受け、万一返済されない場合、担保物を売却し、その時点での債務を優先弁済受ける権利です。

2)抵当権のある不動産の取引

抵当権が設定されていても、自分で住んだり貸したりすることはもちろん、借金の残った不動産を売ってしまうことも可能です。でもうっかりそんなものを買うと、最悪すべての権利を失うことにもなりかねません。ですから取引の対象となる不動産に抵当権が設定されているかどうか、登記事項証明書を調べることは基本中の基本です。そのために登記簿は誰にでも公開されているのですから。

但し抵当権が設定されている不動産でも抹消後に購入すれば何の問題もありませんし、また売買と同時抹消など、抹消が確実な場合も問題ありません。ただそういったケースでは取引安全のために司法書士などに依頼すべきです。

3)利息と損害金

抵当権を設定する場合、利息と損害金(遅滞利息)の取決めがあれば登記します。利息は利息制限法により2割までとされています。これらを登記すれば最後の2年間分の優先弁済が受けられます。

4)物上保証人

抵当権は通常土地などの所有者が債務者となりますが、所有者以外の第三者(例えば親など)が保証人となる場合もあります。このような人を物上保証人といいます。

5)共同担保目録

一つの債務に二つ以上の抵当権が設定された担保を共同担保といいます。これはある債務を担保するのに、ひとつの不動産では足りなくて他の不動産にも担保権が設定されていることを意味します。登記簿上では共同担保目録として管理されます。

この登記のある不動産の場合、共同担保目録に記載されたすべての不動産と債務を比較しなければその価値は分かりません。つまり一つの不動産に登記された金額が、そのままその不動産の価値を示しているとは限りません。

共同担保目録が必要な場合には、登記事項証明書の請求書中「共同担保目録」欄に必要事項を記入します。

6)抵当権抹消登記

債務が返済により消滅すれば、抵当権も自動的に消滅しますが、残念ながら登記簿の内容までは自動更新されません。別に放っておいても実害はありませんが、後々に取引することなどを考慮し、基本的には抹消手続きをしておいたほうが良いでしょう。(抹消しなくても対抗可能)

住宅ローンの場合、返済が終わると金融機関から抵当権を抹消するために必要な書類(解除証書や弁済証書など呼ばれる)が発行されます。

(2)根抵当権(約定担保物権)

抵当権が予め定められた特定の債務を担保するのに対して、この根抵当権は不特定の債務を担保します。もう少し正確にいいますと、一定の範囲にある不特定の債権をあらかじめ決められた極度額まで担保します。

この根抵当権は債務を完済しても抵当権のように自動的には消滅しませんし、また債務が移転しても移転しません。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、例えば銀行からお金を借りる場合、抵当権では借りるたびに設定し直す必要があるのに対して、この根抵当権では一度設定すれば極度額までなら何回でも借りることができます。このため個人よりも会社経営者などが使うようです。

(3)賃借権(債権)

1)賃借権とは

他人の不動産をお金を払って使用できる権利のことです。この賃借権は債権であり、契約当事者間のみで有効となります。従って所有権のように第三者に譲渡することはできません。また借家などを転貸するには大家の承諾がないと契約を解除されてしまいます。

2)対抗要件

このように賃借権は他の権利にくらべ効力が弱いため法律などによって一定の保護がなされています。

土地を借りている場合、借地上の建物の所有権保存登記をすれば賃借人は賃借権の登記がなくても対抗可能。

建物を借りている場合、引渡を受けていれば、賃借人は賃借権の登記がなくても対抗可能。

3)注意事項

借地の売買

地主は貸出中の土地であっても売却することができます。このとき買主として注意しなければならないことは、土地の登記簿に賃借権の登記がなくても、実際に土地の上に建物があり、その建物が登記されていると、買主はそこに住んでいる賃借人に対抗できません。このため登記簿調査に加えて必ず現地で更地か否か、また土地と建物の名義が一致しているかどうかを確認する必要があります。

借家の売買

借地上に自らの建物を所有する土地の賃借人は、その建物を売買することが可能です。しかしながら新たな買主は地主が承諾しなければ実質的に建物に立ち入ることはできません。このような不都合を回避するため、地主の承諾に代わる裁判所の許可制度があります。

4)地上権(用益物権)と賃借権(債権)との違い(参考)

地上権とは

地上権とは他人の土地などをお金を払って使用できる権利のことです。

地上権と賃借権

地上権と賃借権のことを借地権といい、共に第三者から不動産借り受ける権利をいいますが、その内容は大きく異なります。

まず物権である地上権は、賃借人が地主に登記を求めたり、転貸したり、譲渡することが自由にできます。これに対して債権である賃借権は、賃借人が地主に登記を求めることはできません。登記自体は可能ですが、するしないはあくまで地主の判断です。また賃借権を転貸したり譲渡するにも地主の許可が必要で、違反すれば契約は解除されてしまいます。

(4)その他

1)質権(約定担保物件)

抵当権と同様に借金などを担保するものですが、その特徴が抵当権とは異なります。つまり不動産を使用収益させながら、家なら家に住みながら借金を返すことはできません。債務者はその対象物を一旦債権者に引渡さなければならないのです。このため不動産の担保としては不向きです。