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ここでは登記簿の内容を確認するために必要な各種証明書の請求方法とその見方を説明します。
なお現在では多くの登記所がコンピューター化されていますので、対象はコンピューター庁(コンピューター化された登記所)とさせていただきます。
(1)登記事項証明書
登記事項証明書とは登記簿の内容の全部または一部を証明した書類のことです。
1)請求方法
コンピュータ化に伴い従来の登記簿謄本にかわって登記事項証明書を申請することになります。これは人間の戸籍にあたるものですが、原則として誰でも自由に他人の登記事項証明書を取得することができます。(ちょっと嫌な気もしますが、登記の目的の一つが公示にありますのでやむを得ません)
取得するにはその土地などの不動産を管轄する登記所へ行き、所定の請求書に、下記を参考にして必要事項を記入します。管轄する登記所が分からなければ、事前に法務局のホームページなどで確認します。
◇地番
請求のときに必要となるのが地番(建物では家屋番号)です。
地番は郵便物に書く住所とは別で、土地一筆ごとに登記所が決めた番号です。この番号は登記所に備付の住宅地図(地番が青字で書かれているためブルーマップと呼ばれています)で調べることができます。
◇「現に効力を有する部分」
請求書には「現に効力を有する部分のみ」という項目があります。ここにチェックを入れると、抹消された部分については表示されません。このためシンプルで見やすい証明書となりますが、過去の経緯は分かりません。過去の経緯も含めて知りたいときにはここにチェックを入れてはいけません。
◇手数料
請求書ができたら手数料として1件1,000円分(10枚まで、以降5枚ごとに200円)の登記印紙を請求書に貼って窓口に提出します。枚数が分からなければ窓口で後納で良いか相談します。
なお登記印紙は収入印紙とは違います。(登記印紙売場は通常登記所の中かその近くにありますし、集配業務を扱う郵便局でも売っています)
2)郵送による請求
登記事項証明書は郵送による請求が可能です。
基本的にフォーマットフリーで請求者の住所氏名電話番号、証明書の欲しい土地の地番、全部事項か現在事項か、必要部数などを記載し、返信用の封筒に登記印紙を同封して請求します。
3)見方
登記事項証明書は表題部と権利部に大別されます。
◇表題部
表題部には地図番号、所在、地番、地目、地積など、その土地の物理的な状況が記載されています。
・地図番号
「地図」とは不動産登記法により規定された精度の高い地図のことを示しますが、まだほんの一部しか作成されていません。このため地図番号は未作成であることを意味する空白となっているケースが多いようです。
・地目
宅地や山林など土地の種類を示します。地目で注意しなければならないのは田畑です。この場合取引には農地法に基づき農業委員会の許可や届出などが必要となります。
・地積
宅地の場合、小数点以下第3位が切捨てて表示されます。但し実測面積と合致するとは限りません。
◇権利部
権利部には所有権に関する事項が記された「甲区」と所有権以外の権利に関する事項が記された「乙区」があります。
・甲区
その土地の所有者の可能性の高いひとの名前が記されています。
・乙区
抵当権などの債務が記されますので、購入する前に詳細にチェックする必要があります。但し債務などがなければ乙区もありません。
◇順位番号と受付番号
登記事項証明書には「順位番号」や「受付番号」というものがあります。二つの番号はどちらも登記所が付ける番号なのですが、権利が競合するような場合には、この番号の若いほうが優先されることになります。具体的には同じ区では順位番号により、また別区では受付番号の順によります。
先取特権や付記登記※1)など一部例外もありますが、この規則を良く頭に入れて、特に乙区を読み解く必要があります。
※1)付記登記
付記登記とは、通常の主登記のように独立した順位番号が付与されず、既に登記した主登記の一部を変更するような場合に用いられ、その同一性を示すため順位番号に枝番号が付きます。例えば住所変更や買戻特約などがこれに該当します。
◇移記
移記とは紙の登記簿に書かれた内容をコンピューターに移したという意味です。移記の後ろの日付は、その作業が行われた日を示します。
移記はその時点で有効な項目のみが対象となりますので、もしそれより過去の経緯を知りたければ、閉鎖登記簿を調べることになります。
(2)登記事項要約書
コンピュータ庁では、従来の登記簿閲覧の代わりに、登記事項要約書を発行しています。
1)請求方法
請求は登記事項証明書とほぼ同じです。手数料は1通当たり500円(以後5枚ごとに100円加算)です。料金は登記印紙で納付してください。なおこの登記事項要約書は郵送による請求はできません。
2)見方
登記事項要約書の内容は以下の通りです。
不動産の所在、地番、地目、地積、家屋番号、床面積など、及び所有者の住所、氏名、申請書受付の年月日、受付番号。また現に効力を有しているもののうち差押、仮差押、処分禁止の仮処分、(根)抵当権、地役権などが記載されます。
なお登記事項要約書には登記官の認証文や作成年月日などは記載されません。
(3)公図
登記所には登記簿の他に公図という書類が備えられています。この公図も登記簿と同様に大変重要な書類ですので、取引前に必ず確認する必要があります。
1)公図とは
登記簿を見ればその土地の権利関係は分かりますが、お隣さんや道路との位置関係までは分かりません。そういった状況を把握するために公図が必要となります。
しかしながらこの公図、現時点では余り精度が良くありません。法律でも早くきちんとした精度の高い「地図(十七条地図)」を作るように定められていますが、まだ一部しか整備されていません。このようなことから、当面は公図によって位置関係などを確認することになります。
2)請求方法
登記事項証明書と同様に所定の請求書を提出します。
◇公図(地図)番号
請求時に公図(地図)番号というものを記入しますが、この番号は窓口に備えてある住宅地図などを見れば分かるようになっています。
◇手数料
手数料は土地1筆あたり500円です。料金は登記事項証明書明書と同様、登記印紙で納付します。また郵送による請求も可能です。
3)見方
公図の見方のポイントを以下に示します。
◇道路の確認
・公図上で対象となっている土地のどこかが「道」と書かれたエリア、もしくは登記簿上の地目が「公衆用道路※1」」となっているエリアと接している必要があります。
・「水」と書かれたエリアのみに接している土地は、接道義務を満たしていない可能性があります。(たとえ現状水路などがなくても)
・複数の土地を買う場合、土地と土地の間に「道」や「水」を挟んでいると、原則それらを一つの土地とすることはできません。どうしてもという場合には道路や水路の所有者などと払下の協議が必要です。
・地番のない土地は基本的に官有地です。
※1)公衆用道路
念のために、役所の担当課で道路と認定された日付等を調べたほうが良いでしょう。
◇隣地関係
対象となる土地に少しでも接している他の土地があれば、それは隣地として境界の確認などを伴いますので、誰が隣地となるのかきちんと把握しておきます。
(4)地積測量図
土地の登記を行う場合、対象となる土地の地積測量図を添付することになっています。この図面には地積に加え、その求積方法や方位、土地の形状、境界などが記されていますので、公図の補完として非常に有用です。取引の際にはぜひ取得すべきです。ただしすべての土地に備えられているわけではありませんし、また測量後に変更されている可能性もあります。
1)請求方法
公図と同一の請求書により申請します。ただ郵送による請求はできません。
(5)建物(登記事項証明書)
前述した登記事項証明書は土地について解説したものですが、建物についても同様に登記事項証明書があります。繰り返しになりますが、登記簿上土地と建物は別々に管理されていますので、中古住宅などの取引には両方の登記事項証明書を取得する必要があります。
1)請求方法
土地の登記事項証明書と同一の請求書により申請します。
2)見方
建物の登記事項証明書の見方のポイントを以下に示します。
◇所在
所在は原則としてその建物がある土地の地番と同一で、表現上「番」ではなく「番地」となっています。但し分筆や合筆があるとこの同一性は失われます。また一筆の土地に建物が複数ある場合、枝番が付けられます。
◇付属建物
物置などの付属建物はそれ単独としては不動産とみなされません。従って独立した家屋番号は付与されず、主たる建物の一部として扱われます。(同じ登記事項証明書に記載)
参考までに母屋に抵当権が設定されれば、その効力は当然付属建物にもおよぶことになります。
◇増築
増築などをした場合、必ず登記を行うべきです。理由の一つとして建物の未登記部分には抵当権の効力が及ばないため、必然的に金融機関から融資が受けられません。このことは資産価値の観点から見ても得策ではありません。未登記部分があれば事前に登記を行ってから取引を行うべきです。
◇違反建築物
建ペイ率や容積率などに違反していると、金融機関から融資を得られない場合があります。
(6)建物図面、平面図
これらの図面は建物表示登記の際に添付される書類です。建物図面では土地のどの部分にどんな建物が建っているのかが、また平面図では各フロアの形状などがわかります。但し全ての建物に備えられているわけではありません。
1)請求方法
公図と同一の請求書により申請します。郵送による請求はできません。
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